2014年12月07日

時生

時生 (講談社文庫) -
時生 (講談社文庫) -

 不治の病を患い最期を迎えつつある息子は、生まれる前からこうなる可能性を抱えていた。宮本拓実と妻の麗子にとって覚悟していたことではあったが、息子である時生が、自分の運命をどの様に受け止めているのかということだけは、重く圧し掛かってくるのであった…

 子供にとって良かれと思った選択肢が、子供に恨まれる原因になることもある。しかし親を恨んで生きれば傷を広げるだけだ、どのような星の下に生まれて来ようとも、生まれて来て良かったと思えるか思えないかは、自分の生き方次第である。2002年刊行の作品だが、今こそ読んで欲しい。

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プラチナデータ

プラチナデータ (幻冬舎文庫) -
プラチナデータ (幻冬舎文庫) -

 犯人の検挙率を上げるために導入されたDNA捜査システムだったが、データベースの中に、持ち込まれたサンプルと一致したものは見つからなかった。システムに隠された秘密を知る開発者が殺され、真相を突きとめようとする神楽にシステムが示した犯人は神楽自身だった。東野圭吾さんが得意なテーマだと思ったので、期待して読み進めたが、行き止まりの脇道が多く(最後は回収されるが)、真犯人の動機や結末も腑に落ちないものだった。職務を放棄して真相を追う刑事やアメリカから派遣された女性など、理解しにくい行動を見せる脇役も不可解だった。

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2014年12月03日

あの頃の誰か

あの頃の誰か (光文社文庫 ひ 6-12) -
あの頃の誰か (光文社文庫 ひ 6-12) -

 東野圭吾さんご自身が巻末に収められている「あとがき」を「言い訳」と言うように、とりとめもなく集められた短編集。読者に「凄い」と言わせようとするような仕掛けに乏しく、強く印象に残る作品は無いが、そのためか、東野圭吾さんの素の人柄が表れているようで、それなりに楽しめる。

 この中で、私は「レイコと玲子」が好きだ。いっしょに収録されている「さよなら『お父さん』」が後に東野圭吾さんがブレークする切っ掛けとなる『秘密』に昇華したように、「レイコと玲子」も加筆修正して長編に仕立て替えして欲しいと思った。布団の中で読もう♪

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2014年11月29日

ナミヤ雑貨店の奇蹟

ナミヤ雑貨店の奇蹟 (角川文庫) -
ナミヤ雑貨店の奇蹟 (角川文庫) -

 外出の途中『禁断の魔術』を読み終えてしまった私は、次に読む本を求めて北千住駅の東武ブックスに寄り、25日に刊行されたばかりで台陳されていた『ナミヤ雑貨店の奇蹟』を手に入れた。ナミヤ雑貨店と丸光園という児童養護施設をめぐって繰り広げられる物語は「ナミヤ雑貨店のシャッターポストと牛乳箱を通じて二つの時制が繋がっている」という設定だ。

 それにしても東野圭吾さんは、こんなに心暖まる話も描けるのね♪失礼なことを思ってしまう程、良い本だった。もしかしたら私がこの本を手に入れられたのも『ナミヤ雑貨店の奇蹟』かもしれない…

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2014年11月26日

禁断の魔術

禁断の魔術―ガリレオ〈8〉 -
禁断の魔術―ガリレオ〈8〉 -

 読書メーター友から事前情報をいただいていた通り、猛射つが良かったです。正直、他の作品は、要らないと思います。その分、猛射つをもっと丁寧に描いて欲しかったです。特に気になったのは、事前に提示されていない本来なら伏線の様なものが、後から出て来るのは興ざめでした。頁数の制約もあるのでしょうが、ご本人か、編集者の方が気が付いたら、ちゃんと蒔いておいて欲しいし、既に刊行してしまった後でも、横山秀夫さんなら加筆修正するんじゃないかなぁ?でも前作に比べれば満足感はありました。次回も湯川先生を揺さぶる事件を期待します。

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2014年11月22日

パラレルワールド・ラブストーリー

パラレルワールド・ラブストーリー (講談社文庫) -
パラレルワールド・ラブストーリー (講談社文庫) -

『パラレルワールド・ラブストーリー』は、私が好きな『ブルータスの心臓・宿命・変身・分身』など1990年代に前半に刊行された作品に続き、『天空の蜂』と同じ1995年に刊行された。科学の進歩がもたらす悲劇をテーマにした作品の一つだと思う。主人公の現在を過去を行き来しながら進む話は、若干掴みにくく苛々させられるが、第九章 覚醒で明かされる真相に収斂するという構成だ。最後まで読むと中々良い物語なのだが、そこの至るまでのプロセスをミステリー調に仕立てたために、徐々に盛り上がるような演出になっていないのが惜しまれる。

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2014年11月19日

ダイイング・アイ

ダイイング・アイ (光文社文庫 ひ 6-11) -
ダイイング・アイ (光文社文庫 ひ 6-11) -

 冒頭の描写が気持ち悪く、他の本も読めなくなりそうだったが、立ち直って読み終えた。宮部みゆきさんの『レベル7』のように、自分についての記憶を失ってしまったわけではないが、ある事故の記憶を失ってしまった主人公と共に、読者も自分の記憶という謎を追いかけてゆく…ジョハリの窓ではないけれど、自分の記憶と他人の記憶の間にズレがあり、その原因が誰かの陰謀だとしたら…こんな恐ろしいことはないよね…ところで、東野圭吾さんは、失われた記憶を追い求める過程のサスペンスと交通事故の問題、どちらのテーマが書きたかったのかな?

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2014年11月07日

虚像の道化師

虚像の道化師 ガリレオ 7 -
虚像の道化師 ガリレオ 7 -

 私には、分からないことがある。登場人物が自分の視点で語っている部分があるのに、登場人物の行動が隠されているという描写だ。私は、これは、NGだと思うのだが、東野圭吾さんの小説を読んでいると、時々このような場面が出てくる。当然のことであるが、読者である私は騙されて、その謎を追うことになってしまうのだ。この様な表現は、映像では全く問題ないことから(カメラは基本的に神視点だから)、私の理解では、この物語りも、映像化されることを強く意識して作られたというものだ。私はタブーだと思うのだけれども、皆さんの評価はいかに?

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