2014年12月16日

好き、だからこそ

好き、だからこそ (新潮文庫) -
好き、だからこそ (新潮文庫) -


好き、だからこそ許せないことがある。好き、だからこそ言えない秘密がある。好き、だからこそ誰かを不幸に陥れたとしても手に入れたい愛がある。
 好き、だからこそ、風子は、自分以外の誰かとの時間を持ってしまったゴンちゃんへの気持ちが壊れてしまい、修復することができなくなってしまったのかもしれない。そして、許すことも、咎めることも選ばず、好き、だからこそ、好き、という気持ちを心の底に沈めた。

 好き、という気持ちは理屈では説明できないと言われるけれども、そこにこそ人間らしさが秘められているのかもしれない。しかし、もう一方で人間は生きて行かなければならない。誰かから手を差し伸べられることで、生を繋いで行くことができる。その時に生まれる情は、好き、ということと同じなのだろうか?

 小手鞠るいさんの世界に登場する女性たちは、いつも健気で自分自身の感情に正直に生きてゆく。その一方で、男たちは、情にほだされて自分自身の感情を真正面から見詰めることを避けているような気がする。

 それぞれの登場人物の立場や、過去に経験した出来事によって、新たな出会いの中に光と影が生まれる。

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posted by 飛べないカカポ at 06:03| Comment(0) | 小手鞠るい | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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