2014年12月28日

空と海のであう場所

空と海のであう場所 (ポプラ文庫) -
空と海のであう場所 (ポプラ文庫) -

読む人によって、読んだ時の気持ちによって、感じ方が大きく変わってしまう物語りだと思います。だから、きっと私の感想・レビューは余計なものでしょう。それでも私は、誰かを愛している人たちに、誰かを愛したい人たちに、誰かから愛されているのに自分では気がついていない人たちに、そして、誰かを愛し誰かから愛されている人たちに「この『空と海のであう場所』を読んでみたら?」と薦めたいと思います。誰かをもっと愛せるように、身近に愛すべき人がいることに気づくように、誰かから愛されていることに気づくように…

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ にほんブログ村 本ブログ おすすめ本へ にほんブログ村 本ブログ ミステリー・推理へ
posted by 飛べないカカポ at 10:34| Comment(0) | 小手鞠るい | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月16日

好き、だからこそ

好き、だからこそ (新潮文庫) -
好き、だからこそ (新潮文庫) -


好き、だからこそ許せないことがある。好き、だからこそ言えない秘密がある。好き、だからこそ誰かを不幸に陥れたとしても手に入れたい愛がある。
 好き、だからこそ、風子は、自分以外の誰かとの時間を持ってしまったゴンちゃんへの気持ちが壊れてしまい、修復することができなくなってしまったのかもしれない。そして、許すことも、咎めることも選ばず、好き、だからこそ、好き、という気持ちを心の底に沈めた。

 好き、という気持ちは理屈では説明できないと言われるけれども、そこにこそ人間らしさが秘められているのかもしれない。しかし、もう一方で人間は生きて行かなければならない。誰かから手を差し伸べられることで、生を繋いで行くことができる。その時に生まれる情は、好き、ということと同じなのだろうか?

 小手鞠るいさんの世界に登場する女性たちは、いつも健気で自分自身の感情に正直に生きてゆく。その一方で、男たちは、情にほだされて自分自身の感情を真正面から見詰めることを避けているような気がする。

 それぞれの登場人物の立場や、過去に経験した出来事によって、新たな出会いの中に光と影が生まれる。

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビュ

ーへ にほんブログ村 本ブログ おすすめ本へ にほんブログ村 本ブログ ミステリー・推理へ
posted by 飛べないカカポ at 06:03| Comment(0) | 小手鞠るい | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月14日

サンカクカンケイ



 小手鞠さんの作品は、エンキョリレンアイに続いて2作目。エンキョリの花音の人生も、紆余曲折だったが、あかねの人生も負けず劣らず曲がりくねっている。しかし、あかねは、悲しさを糧に新しい人生を切り拓く。

 『陽だまりの彼女』『天使の卵』と恋愛小説が続いたので、その流れで『サンカクカンケイ』を読んでみた。小手鞠るいさんの作品を読むのは、10月に読んだ『エンキョリレンアイ』に続いて2作目で、エンキョリの主人公であった桜木花音が登場するというサプライズ付きだった。花音の人生も、紆余曲折を経るものだったが、サンカクの主人公である広瀬あかねの人生も負けず劣らず曲がりくねっている。しかし、彼女たちは、悲しい出来事を糧にして逞しく新しい人生を切り拓いて行く。「エンキョリを再読したい」と思わせる爽やかな読後感に浸れる作品。

 この物語りの中からは、とても素敵なフレーズがたくさん見つかりました。その中のいくつかを、紹介したいと思います。『困難にぶつかった時、本当に頼りになるのは他人ではなくて、自分。自分の心。その心の中から滾々(こんこん)と湧きだしてくる、際限なく豊かで自由な「想像力と創造力」。言いかえると、頼りにできるのは「それしかない」と、』困難にぶつかった時、他人に頼って対処療法を講じたとしても問題を根本から解決することはできないのかもしれませんね。何がその問題の根本なのかを突きとめて、それに直接対処しよう!

 主人公の「あかね」は、「恋することは、自分が自分でなくなってしまうこと?自分を失うということ?」「自分を失うことはちっとも怖くないのに、わたしは龍也を失うことが、なによりも怖かった。」と独白する。あかねを手繰り寄せたり突き放したりする龍也には、何をもってしても埋めることのできない空洞があるような気がした。空洞がどのように出来たのか、彼がどうやって埋めてゆくのかということについては、描かれていないのだけれども、彼に関わる全ての人々が、頼り頼られることよって得られる充実と無縁のような気がした…


にほんブログ村 本ブログ 書評・レビュ

ーへ にほんブログ村 本ブログ おすすめ本へ にほんブログ村 本ブログ ミステリー・推理へ
posted by 飛べないカカポ at 10:55| Comment(0) | 小手鞠るい | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月12日

天使の卵―エンジェルス・エッグ

天使の卵―エンジェルス・エッグ (集英社文庫) -
天使の卵―エンジェルス・エッグ (集英社文庫) -

 カミサンが買った本を手に取りました。女性の作家が19歳の男性の視点から一人称で書いた作品です。そのためか、男性の気持ちという意味では、ちょっと無理を感じる部分もありました。私にも美大を目指して石膏デッサンに明け暮れていた浪人生だった時代があったので、アリアスに似た横顔をもつ日本女性がいるとは思えなかったし、所々に見える紋切り型の表現も鼻につきましたが、物語そのものには読者を引き込む力があり、先を急ぎたくなるような緊張感もありました。そういう意味では、他の作品も読んで見たいという気持ちになる作品でした。

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビュ

ーへ にほんブログ村 本ブログ おすすめ本へ にほんブログ村 本ブログ ミステリー・推理へ
posted by 飛べないカカポ at 20:20| Comment(0) | 村山 由佳 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月09日

陽だまりの彼女

陽だまりの彼女 (新潮文庫) -
陽だまりの彼女 (新潮文庫) -

 表紙のイラストが気になっていた『陽だまりの彼女』…手に入れるまでにも時間がかかったし、手に入れた後も読み始めるまでに時が経ってしまった。私が愛読している作家さんとは、空気の色やニオイが全く違う世界…確かに、陽だまりの中でウトウトしている間に、心地よくてちょっぴりスリルのある夢を見ていたような感じだった…強いて言えば、ポール・ギャリコさんの物語りを読んだ後のような感じ…日本の作家さんなら、小手鞠るいさんの『エンキョリレンアイ』のような感じだろうか?
 ときめくことができた56歳のオジサンの気持ちは、まだ若い?

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビュ

ーへ にほんブログ村 本ブログ おすすめ本へ にほんブログ村 本ブログ ミステリー・推理へ
posted by 飛べないカカポ at 20:21| Comment(0) | 越谷オサム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月07日

時生

時生 (講談社文庫) -
時生 (講談社文庫) -

 不治の病を患い最期を迎えつつある息子は、生まれる前からこうなる可能性を抱えていた。宮本拓実と妻の麗子にとって覚悟していたことではあったが、息子である時生が、自分の運命をどの様に受け止めているのかということだけは、重く圧し掛かってくるのであった…

 子供にとって良かれと思った選択肢が、子供に恨まれる原因になることもある。しかし親を恨んで生きれば傷を広げるだけだ、どのような星の下に生まれて来ようとも、生まれて来て良かったと思えるか思えないかは、自分の生き方次第である。2002年刊行の作品だが、今こそ読んで欲しい。

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビュ

ーへ にほんブログ村 本ブログ おすすめ本へ にほんブログ村 本ブログ ミステリー・推理へ
posted by 飛べないカカポ at 00:00| Comment(0) | 東野 圭吾 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

プラチナデータ

プラチナデータ (幻冬舎文庫) -
プラチナデータ (幻冬舎文庫) -

 犯人の検挙率を上げるために導入されたDNA捜査システムだったが、データベースの中に、持ち込まれたサンプルと一致したものは見つからなかった。システムに隠された秘密を知る開発者が殺され、真相を突きとめようとする神楽にシステムが示した犯人は神楽自身だった。東野圭吾さんが得意なテーマだと思ったので、期待して読み進めたが、行き止まりの脇道が多く(最後は回収されるが)、真犯人の動機や結末も腑に落ちないものだった。職務を放棄して真相を追う刑事やアメリカから派遣された女性など、理解しにくい行動を見せる脇役も不可解だった。

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビュ

ーへ にほんブログ村 本ブログ おすすめ本へ にほんブログ村 本ブログ ミステリー・推理へ
posted by 飛べないカカポ at 00:00| Comment(0) | 東野 圭吾 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月04日

自覚

自覚: 隠蔽捜査5.5 -
自覚: 隠蔽捜査5.5 -

 文庫で揃えたかった『隠蔽捜査シリーズ』だが『宰領』に続いて読みたいという気持ちを抑えられず、ハードカバー(古書)を購入してしまった。「隠蔽捜査、果断、疑心、初陣、転迷、宰領は、この自覚を楽しむための序章だったのではないか」と思う程、登場人物との再会が嬉しかった。

 久しぶりに読む今野敏さんの文章は、まるで竜崎署長の指示の様に無駄がなく、まるで8ビートのロックの様な疾走感があって気持ちが良い。あれほどまでに翻弄された畠山美奈子からの電話にもいつものように原理原則に基づいて冷静なアドバイスを下す竜崎が微笑ましい。

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビュ

ーへ にほんブログ村 本ブログ おすすめ本へ にほんブログ村 本ブログ ミステリー・推理へ
posted by 飛べないカカポ at 00:00| Comment(0) | 今野 敏 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月03日

あの頃の誰か

あの頃の誰か (光文社文庫 ひ 6-12) -
あの頃の誰か (光文社文庫 ひ 6-12) -

 東野圭吾さんご自身が巻末に収められている「あとがき」を「言い訳」と言うように、とりとめもなく集められた短編集。読者に「凄い」と言わせようとするような仕掛けに乏しく、強く印象に残る作品は無いが、そのためか、東野圭吾さんの素の人柄が表れているようで、それなりに楽しめる。

 この中で、私は「レイコと玲子」が好きだ。いっしょに収録されている「さよなら『お父さん』」が後に東野圭吾さんがブレークする切っ掛けとなる『秘密』に昇華したように、「レイコと玲子」も加筆修正して長編に仕立て替えして欲しいと思った。布団の中で読もう♪

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビュ

ーへ にほんブログ村 本ブログ おすすめ本へ にほんブログ村 本ブログ ミステリー・推理へ
posted by 飛べないカカポ at 00:00| Comment(0) | 東野 圭吾 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする